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第13回化学公開セミナー

名古屋工業大学 生命・応用化学教育類では、2010年から所属教員の研究をやさしく分かりやすく紹介するための化学公開セミナーを開催しています。今回はお二方にご自身の研究を紹介していただきます。ひとりは「新規不斉触媒の創製と四置換不斉炭素構築法の開発」という演目で有機化学分野の中村 修一教授、もうひとりは「イオンモビリティー質量分析法による合成高分子の解析」という演目で分析化学分野の北川 慎也教授です。多数の皆様のご参加をお待ちしています。

日時:2022 年 6 月 29 日(水)14:40~16:10(講演 30 分、質問 10 分)
場所:4号館1階ホール (対面開催予定、コロナ感染拡大の状況次第では開催方式を見直す)
参加費:無料
対象:学内外の興味ある方すべて
申込:当日直接参加

連絡先:〒466-8555 名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学 生命・応用化学教育類長 小澤 智宏
E-mail: ozawa.tomohiro@nitech.ac.jp


新規不斉触媒の創製と四置換不斉炭素構築法の開発

講師:中村 修一 教授  座長:山村 初雄 教授

近年、医農薬、ファインケミカルの分野で光学活性化合物の果たす枠割が増している。そのため、それら光学活性化合物を合成するための新しい不斉触媒、不斉合成手法の開発が世界中で精力的に行われており、2021年度のノーベル化学賞が“不斉有機分子触媒の開発”に対して授与されたのは、記憶に新しい。しかしながら、既存の不斉触媒では達成できない不斉合成反応は数多く存在し、さらなる新機能を付与した不斉触媒の設計・開発が望まれている。このような観点から、本講演では、最近、我々が開発してきた不斉触媒を紹介し、これまでに達成困難であったいくつかの不斉合成反応、特に、四置換不斉炭素の構築法および環境にやさしい合成技術への展開を紹介する。

イオンモビリティー質量分析法による合成高分子の解析

講師:北川 慎也 教授  座長:大谷 肇 教授

我々の身の回りには多種多様な合成高分子が存在する。高分子材料の化学構造は物性に深く影響するため、より良い材料開発のためには化学構造の精密分析が必要である。質量分析法(MS)は、合成高分子の精密解析に汎用される手法ではあるが、現実的には、分子量の大きな合成高分子の解析が不得手であるという問題点がある。我々は、MSにイオンモビリティースペクトロメトリー(IMS)とよばれる手法を組み合わせた、IMS-MSを用いることで、これまで解析が困難であった合成高分子解析に成功している。本講演では、我々が近年行った、IMS-MSによる合成高分子の分析例を紹介する。